閉鎖

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「日本のマンガ実写化がなぜ失敗するのか」というまとめについて

togetterで気になるまとめがあったので、現役の出版社員として参考意見を述べます。

togetter.com

 

すべての作品がそうというワケではありませんが、出版社にとって、これまで作品の映像化は、本(コミックス・文庫・単行本)のプロモーション・宣伝として考えてきました。

 

小説だろうが漫画だろうが、作家・出版社にとっては、「本」が一番。これは単純にビジネスの手法としてだけでなく、結局本が好きで仕方ない人たちなので、エンタメの形態として映画やドラマより本=原作が一番と考えているのです。

 

ですので、別にどんなクオリティでも映画のプロモーションで作品名がテレビをジャックできれば、ほぼそれで良いのです。それで大半の目的は達成。もちろん、映画の人気が出るにこしたことはありませんが、どんなに映画が良作だろうが、「本」の面白さには敵わないと思っているし、本が売れればそれで良しなのです。

 

このようなプロモーション・宣伝という観点では、大きなリスクを取る意味はないので、製作委員会方式を選びます。たまに映画が当てれば儲けもの、なのです。

 

上記のことは漫画業界においては常識に近いことなので、補足として述べました。

 

ただ作家も出版社の意識も変わってきているので、プロモーションではなく一つのビジネスとして映画作りに意識を向け始めている部分もあります。今後は大きな予算をかけて映画興行として勝負に出るような作品も増えていくのではないかと思います。

 

自分もそのような作品を是非見てみたいので、会社でも働きかけていこうと思います。